小児歯科【 小児の治療 】
小児の治療について
小児歯科はおおむね乳幼児期から、永久歯が萌え揃う学童期まで(12~13歳)のお子さんが対象です。
虫歯の治療をはじめ、虫歯の予防処置、永久歯の歯並び、噛み合わせが正しくなるように歯科指導や歯科予防処置(シーラント、フッ素塗布等)を行います。

虫歯治療
●充填(詰め物をする)
虫歯になった部分を削り取り、そこにセメント状の材料をつめて歯の穴を塞ぐことを充填と言います。小さな虫歯や、子どもの歯の治療に使われる方法です。

●インレー修復(型をとって詰める)
虫歯になった部分を削り取った後、型をとり、穴のかたちに鋳造した金属をセメントで接着する方法です。充填で治療する虫歯より、少し大きめの虫歯のときに使います。金属で作ったつめ物をインレーと言います。

●クラウン(冠をかぶせる)
大きな虫歯になると、つめ物ではなくなった歯の部分を補うことができません。そんなときは金属などで歯を覆う方法がとられます。歯に冠を被せることから、クラウンと呼ばれます。

予防/「フッ素」で歯を強く
フッ素とは、歯の質を強くする自然元素の一つです。
あらゆる食物に含まれており、自然界からの贈り物と言えるでしょう。
例えば、緑茶・みそ・大根・牛肉などの食品に多く含まれています。
【フッ素で虫歯予防ができる理由】

【フッ素の使い方】
- フッ素塗布法年に4回程、歯科医院などで歯面に塗る方法です。この方法は、まだうがいができない乳幼児や永久歯が生えたばかりのお子さんに最適です。
●塗布後の注意
塗った後、30分間はうがい・飲食を控えましょう。 - フッ素洗口法幼稚園、学校や家庭で毎日手軽に行える方法。フッ素の水溶液でうがいをします。この方法は、うがいが上手にできるようになれば可能で、永久歯が生え変わる4~5歳頃から、永久歯の生え揃う15歳頃までに特に最適です。
●うがいの方法
フッ素洗口剤が口の中全体に行き渡るように、30秒~1分間うがいします。
●先口後の注意
洗口後、30分間はうがい・飲食を控えましょう。 - フッ素入り歯磨き剤による歯磨き幼児からお年寄りまで、最も身近に利用できる方法です。フッ素が配合されている歯磨き剤で毎日歯を磨きます。
●使い方
【幼児編】
・幼児用歯ブラシの1/2に歯磨き剤をつけて磨いてあげましょう。
・磨いた後は軽くうがいさせてください。
【大人編】
・1日にできれば2回、歯磨き剤で歯を磨きます。
大人用歯ブラシの1/2~2/3の量が目安です。
・うがいの回数や水の量はなるべく少なくしましょう。
●歯磨き後の注意
磨いた後、30分~しばらくの間は飲食を控えましょう。
予防/「シーラント」で虫歯になりにくい歯へ
奥歯の溝が細く深く複雑な形をしている場合、歯磨きをしてもブラシの毛先が入らず汚れが残ったままになってしまいます。
シーラントは、この溝をあらかじめ樹脂コートする事で虫歯予防に効果を発揮します。シーラントには、フッ素が含まれています。コートされている間は、持続的にフッ素が歯に吸収されますので、歯を強くする事ができます。
●シーラントをされた方へ
・3カ月に1回、歯科定期健診をお受け下さい。
シーラントは、しだいに磨り減ったり剥げたりすることがあります。
歯科定期健診時に必要があれば、再度コート致します。


予防/「キシリトール」で家庭でも虫歯予防

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ミュータンス菌が、せっせとキシリトールを食べます。
- でも、キシリトールはちっともエネルギーになりません。
- それでもキシリトールが好きで食べ続けるミュータンス菌。
- お腹も空くし、疲れてぐったり。ミュータンス菌はおとなしくなります。

キシリトール摂取で得られる効果
・プラークの減少
・プラークの質の改善
・歯面の滑沢化
・歯の再石灰化の促進
効果的な摂取方法
●虫歯になるリスクが低い方
100%キシリトール配合ガムを1回2粒、食後3回
●虫歯になるリスクが高い方
100%キシリトール配合ガムを1回2粒、1日5回
※リスクの高低は「カリオスタット」という虫歯菌の活動性を測るテストを行うことで判定できます。
キシリトールの安全性
キシリトール製品の成分表示付近に「一度に多量に食べると、体質によりお腹がゆるくなる場合があります」と書いてあることに不安を抱く方もいらっしゃいますが、キシリトールでお腹がゆるくなる量は、
・体重50kgの方なら100%キシリトールガムを1度に20粒くらい食べる
・乳児の場合、キシリトールタブレットを1度に3~4粒以上口に入れる
となります。
いたずらに食べさえしなければ、問題や影響はないでしょう。